その3「写真の加工と編集」についての考え

前回と前々回の【 ~その1「写真の加工と編集」についての考え~ 】【→ その2「写真の加工と編集」についての考え】では、写真加工と編集についての私の考え方と、そのなかで感じる違和感の正体として整合性や一貫性の必要性について書き記した
【→ その1「写真の加工と編集」についての考え】

→ その2「写真の加工と編集」についての考え

今回はそれらを踏まえて、主に私が撮りたい山岳写真(風景写真)における写真の加工や編集で私個人がこうありたいと思う部分について述べてみたいと思う。

【1、山の写真における整合性や一貫性とは】

前回の記事で写真の加工や編集に整合性や一貫性がないものに違和感を感じることについて個人的な意見を述べた。簡単に言えば、撮影対象となる素材のイメージやメッセージ性、それを撮影し現像するという流れにおいて、明らかに方向性が違う場合にい違和感や矛盾を感じることがあるということだ。

《「自然」という素材》

では、これを「山」や「自然の風景」に当てはめた場合にどうなるだろうか?
自然の風景は「自然」です。自然の良さがあり、太陽の光や、空の雲、天気、風などいろんな自然条件があってそれらが1つの瞬間を作り、それを撮影する。

自然の風景という撮影における素材は「自然」であり、それが最初のメッセージ性やイメージだと私は考えます。そこに自然の雄大さや厳しさや優しさなどいろんな光景がある。でも、それらはすべて「自然」です。

《自然であるもの、その整合性や一貫性》

つまり、「自然」というものが現像という写真の編集や加工においても整合性や一貫性として必要とされるのではないでしょうか?
自然であるものを「人工的」「不自然」に現像してしまうと、その整合性や一貫性は崩れてしまうと思う。私が何か違和感を感じていた写真にはこういった自然とは真逆の人工的で不自然な現像があった。私もそういう現像をして自分で違和感を感じていたことがある。

しかし、こういった整合性や一貫性を欠いた写真の編集や加工は、素材をプラスにすることなく素材を殺してしまうのではないでしょうか?
大きな山の風景なんて極上の天然素材であって、料理でいえば最高級の天然真鯛だったりマツタケであったりそういったもののように感じる。それらをスパイスやケチャップやマヨネーズやソースでコテコテに味付けして素材の味もくそもない料理にすればもったいないって思いませんか?私なら刺身にしてワサビ醤油で食べたり、塩や醤油をちょっとつけて素材の味をまずは楽しみたい。要は素材を活かした料理が食べたい。

自然の風景はあくまで「自然」であって、それを都市夜景や工場夜景のように現像するのもおかしいと思うし、コスプレのポートレートのように現像するのも不自然だと思う。

【2、山岳写真や風景写真の理想(私個人の意見)】

それでは、山岳写真や風景写真においてどのようなものが求められるのか?私なりの考えを含めて、個人的な理想という形でしかないが、少しまとめてみたい。

《自然は自然らしく》

自然の風景、とくに大きな山の風景は見るだけで絶景です。ある意味素材がすごすぎて何をとってもそれなりに良く撮れてしまうこともある。しかし、その自然の絶景だからこそ、編集や加工も自然に仕上げるのが整合性や一貫性があって違和感なく道理にあっていると感じる。

今は現像ソフトや写真加工ソフトで何でもできる。光の当たっていない場所に光をあてたり、木々や草木をフワフワのソフト仕上げにしたり、合成すれば夜の真っ暗な写真ですらライトやフラッシュなしで対象物を昼に撮ったもののように階調豊かにできる、ピントだって合成で全部に合わせることも可能だ。

そんななかで、個性を出しつつも自然を自然らしく仕上げることが整合性や一貫性がとれていると思います。

【2、素材をプラスにするかマイナスにするか】

《編集や加工も素材がプラスになるのであれば》

自然を自然らしく仕上げるのであれば、星空を大きく編集して天の川をあぶりだしたり、広大な自然の風景を表現するためにパノラマ合成したり、ホワイトバランスすこし大げさに弄って朝焼けや夕焼けを表現することは、むしろ歓迎されるべきだと考えています。

人の目でみたものを写真でとっても、同じようには撮れません。ダイナミックレンジや色の表現は目のほうが優れています。そこを編集や加工で補うことでうまく表現できることもある。

ようは、素材を編集や加工でプラスにできているかどうかではないでしょうか?
星を眼で見たよりより星らしく、朝焼けや夕焼けをより見た目に近く、そういった編集は素材のメッセージやイメージをより素晴らしいものにしていると思う。

そのままで自然らしい素敵な風景は、編集や加工の跡を残さないようなことも目安のポイントかもしれない。見ただけで編集加工したとわかる自然の風景写真はやはり違和感を感じると思う(星などは別だが)

目安として素材を活かしているか殺しているか、プラスに編集できるかマイナスに編集してしまうか、などは整合性や一貫性を確認するのにもいい基準になるかと思います。

《流行りやインパクトを狙うことも必要だとは思う、…がしかし》

最近は作例や撮り方や現像方法などもネットなどで調べることができるようになり、いろんな人が本格的に素敵な写真を撮ることができるようになった。インスタや写真投稿サイトを開けば、プロが撮ったような素晴らしい写真が山のようにあり、私のような初心者は気後れしてしまうほどだ。
そして現像や編集加工の方法も出回ってきた。カメラ雑誌でも現像をテーマにするほどだ。なので真似をすれば簡単にそういったものが可能となる。

こういった感じで、素晴らしい写真があふれるなか、同じようなものを撮って同じ編集をしていたのでは、その中に埋もれてしまうことになる。そういったこともあってか編集加工も整合性や一貫性のあるものではなく単に過度にやりすぎてしまうものもでてくる。
「目立つ」ことや「パッと見の印象」を狙うと確かに目に留まる。目に留まらなければそもそも何も始まらない。鮮やかな彩度やシャープで明瞭な画質、ソフトでやわらかな花や肌や幻想的な風景。こういったものはやはり目立つし、写真を知らない人にも「ウケ」がいい。その考えはおおいに理解できる。

でも、実際にプロの写真でそういったものはほとんどない。SNSや写真コミュニティ内で評価されるにしかすぎないのではないかと思う。最近はメーカーやメディア側がマーケティングに利用して逆にそちら側にすり寄ってきているが、そういう人たちが本物を評価せずにウケやインパクト狙いの写真を取り上げていったら本物はたぶん減っていくのではないだろうかと思うので非常に危うい行為だと思う。

他のジャンルでもそうだが、役者の演技や監督の腕などではなく豪華俳優陣をつかったアクション映画や実写版などばかりが商業目当てでフューチャーされるようになっていったり、映画化を前提にしたような作家の作品などがウケたり、業界を盛り上げるために知名度のある人の作品に賞を与えたり…などそうしていった結果が今現在で、それに埋もれた本物がどれだけ消えていったのかと思う。まぁあまり話を広げても仕方ない。

流行りやインパクトだとわかっていてその波に乗ることで人の目に留まることを目的とし、本来の自分のスタイルや写真を見てもらうための1つのツールとするのなら問題ないと思う。むしろうまく活用しているとすら感じる。
しかし、そこを単にそれがウケているからという理由で自分のスタイルをそちらに寄せていくのは、結局は自分の個性などはなくなり世間の評価や他人にあわせた作品にしかならないと思うのです。

なので、流行りやインパクトやウケによる評価や反応を狙ったものは、あくまでそれだと理解して「うまく使いこなす」ことが大切だと思うのです。もちろんそんな波にも乗らず自分のスタイルを貫き通していくことで何かを成せるのならそれにこしたことはないですが。

ここら辺は人それぞれ考え方が違うと思うので、それぞれが自分がいいと思ったやり方でやっていくのがいいと思います。

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私はまだまだ初心者で、編集や加工に関してはさらにビギナーレベル。素材も活かしきれていないしマイナスにしてしまっていることも多々あります。でも今回の話にあった整合性や一貫性をもって、自然の素材を活かす写真と現像を心がけていきたいと思います。
ですが、人それぞれ意見はあると思うし考え方も様々だと思いますので、あくまで私の現時点での考えとしてということはご理解くださいませ。
素敵な自然の風景をそのまま素晴らしく写真として撮ることができれば私は幸せだなと思います。

 

 

 

その2「写真の加工と編集」についての考え

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